Windows版 iTRONサービスコールの作成 (ミューテックス)
(その3)
ミューテックスを削除するサービスコールは以下のとおりです。
サービスコール名 | 説明 |
---|---|
del_mtx | ミューテックスを削除します。 |
ミューテックスを削除するには以下のサービスコールを使用します。
ER del_mtx( ID mtxid )
引数 | 説明 |
---|---|
mtxid | ミューテックスID番号。 |
戻り値 | 説明 |
---|---|
E_OK | 正常終了。 |
E_ID | 範囲外のミューテックスID番号。 |
E_NOEXS | 指定したミューテックスID番号は登録されていない。 |
・サービスコールのソースコードは以下のようになります。
/****************************************************************************/
/*!
* @brief ミューテックスの削除.
*
* @param [in] mtxid ミューテックスID番号.
*
* @retval エラーコード.
*/
ER del_mtx( ID mtxid )
{
ER ercd;
wi_CommonLock();
//! ミューテックスを削除する.
ercd = wi_DeleteMutex( mtxid );
wi_CommonUnlock();
return ercd;
}
削除するミューテックスのID番号を引数としてミューテックス削除関数を呼び出します。
ミューテックス削除関数
ミューテックス削除関数のソースコードは以下のとおりです。
/****************************************************************************/
/*!
* @brief ミューテックスの削除.
*
* @param [in] id ミューテックスID番号.
*
* @retval エラーコード.
*/
ER wi_DeleteMutex( INT id )
{
ER ercd;
WIMTXOBJ *p;
//! ミューテックスIDのオブジェクトを取得する.
p = (WIMTXOBJ *)wi_FindObject( id, TMAX_MAXMTX, ObjList, &ercd );
if( !p ){
return ercd;
}
//! リストから該当するミューテックスを取り除く.
wi_DelObject( (WIHDR *)p, &ObjList );
//! 待ちタスクキューを解放する.
wi_WakeupDelResource( p->WaitQue );
//! ミューテックス・オブジェクト構造体を解放する.
SAFE_RELEASE( p );
return E_OK;
}
ミューテックス削除関数は以下のような処理を行います。
- 引数で指定されたミューテックスID番号に該当するミューテックス・オブジェクトを取り出します。
- ミューテックス・オブジェクトのリストから削除するオブジェクトを外します。
- 削除するミューテックスのロック解除待ちをしているタスクを全て起床させます。
- 最後にミューテックス・オブジェクトのために確保したメモリを解放して処理を終了します。